阿部千春先生 来日イベント

◯阿部千春先生との出会い
そもそも、私がバロック・ヴァイオリンと出会うきっかけは、恩師 菊地俊一先生と再会したことです。当時「ストリング」という雑誌があり、そこで、先生が取材されていて、アマチュアの弦楽合奏のご指導をされているという記事でした。もう、30年近く前の話かと思います。菊地先生といえば、武蔵野音大でも厳しいことで有名で、まあ、多分学内1厳しい先生だったと思います。
博識で、いつも学生のことを気にかけて、プロになったときに困らないように、愛情深く授業をされていました。
気さくに学生に話しかけてくださり、入間の校舎って駅から当時スクールバスなんですが、バスはいつも学生と教授陣でぎゅうぎゅうで、それなら高校生のときに鍛え上げた健脚で(大村高校も校内に入るまで、城のように心臓破りの坂を越えないと、たどりつかないのです)私はいつも歩いていたのですが、先生もよく歩かれていて、一緒になったりすると、お話をしながら坂を降りたりしたものです。
先生が今でもご指導されているんだ!と雑誌で知った私は、その合奏団の方へメールを送り、見学させていただきました。先生のご指導はご健在で、アマチュアにも、すごい専門的なことを楽しくお話されていて、「いや、なんか悔しいな。アマチュアなのに、こんな話を聞けるの?」と思い、2時間近くかけて、その合奏団の練習に、月2回通うことにしました。20年くらい通ったと思います。最近は、もう生徒も増え、木曜日の午前をお休みにするということができなくなり、休団していますが、連絡係りは未だにやっております。そして、90歳を超えた先生は、未だにその合奏団でご指導されています。すごすぎ!
そんな先生から、よく「古楽」のお話を聞き、ずっとバッハってヴィヴァルディーって、どう演奏するのが「正しい」のかなと思っていた私は、「疑問があれば、いつでも家に遊びにいらっしゃい」という先生の社交辞令を真に受け、笑)プリンを持って遊びに伺いました。そして、帰る頃には、先生にバロックバイオリンを持たせていただき 笑)家に意気揚々と帰り、「私はこれからバロック・ヴァイオリンを勉強する!」と始めました。若いって眩しいですね。笑)昔の私えらい!
そして、先生の愛弟子の阿部千春さんが時々日本にかえっていらっしゃるので、 その時にレッスンを受けてみれば?という話になり、今日に至ります。
阿部先生のレッスンでは、古楽器ならではの弾き方とか、音の出し方とか、構え方とか、そんなところからスタートして、コロナ期間に「Zoomで毎月レッスンを受ける」というシステムを、作り上げました!なんか、死を意識しながら過ごしたあの期間って、なんでもできるような気がしたんでしょうね。生徒たちも巻き込んで、今でも毎月6名ほどの生徒が、Zoomでレッスンを受講しています。
◯バロック・ヴァイオリンとヴィオラ・ダモーレの響き
こちらは、菊地先生のお連れ合いの嘉子様の、追悼演奏会としてのコンサートでした。2026年6月20日 日本ホーリネス教団東京中央教会にて。午後2時30分開演。
嘉子様にも、大変お世話になりました。私が菊地先生にレッスンを受けていると、時々ソファーでお聞きになっていたりしました。一度、教室で「ハッピーバースデー変奏曲」を発表会用に練習していて、その曲の合宿をしたときに、「私もその曲弾いてみたいわ」とおっしゃって、先生と一緒に参加してくださったり。思い出しながら、聴かせていただきました。
阿部千春先生がお書きなっているプログラムが大好きで、いつも楽しみにしています。
今回、その中で、こんな一文がありました。
バロック芸術には「死」と「無常」の感覚が広く共有されていましたが、とりわけ三十年戦争後のドイツ語圏では、それが深い霊的内省として表出されました。壮麗な建築や高度な対位法、華やかな技巧を伴う芸術には、「塵(staub)」にすぎない人間の、永遠を求める思いが込められています。無伴奏ヴァイオリンの作品は、その感覚を体現するのに適した形式でした。
ビーバーの「ロザリオのソナタ集」12番 パッサカリアの解説文の一部なのですが、ビーバーが、1678年に私的な信心のために作曲されたものだそうです。
バロックをやる人間にとって、この曲は永遠の憧れです。私も練習したことがありますが、練習しながら、不思議な気持ちが現れる名曲です。
毎回本当に感動し、先生をずっと応援していこうという気持ちになるのですが、今回は、先生に出会えたことを心から感謝しましたし、菊地先生との再会にも、心から感謝しながら聴きしました。
◯フィールシュパースレッスン会
翌日21日日曜日 新宿御苑のアトリエソノーロにて、フィールシュパースのレッスンをしていただきました。
曲は、テレマン作曲「ドン・キホーテ組曲」シュメルツアー作曲「ラメント・ソプラ」リュリ作曲「アルミード」の3曲です。先生にもご提案いただくのですが、団のみんなで選曲します。みんないい曲選びますよね。
もともとバロック好きという生徒さんが集まったり、私がやってることに興味があって入ってくださったり。先生のご指導のおかげで、すごく充実してきて、またひとりひとりが上手になってきました。
大人からヴァイオリン始めた人も多いでんですよ。こんな個人の教室で、こんな体験までさせてもらって嬉しいって、感謝してくれています。
いやいや、それはチャンスが転がってきたときに、ちゃんと感謝して掴みに来れた、生徒さんの人生の実力だと思います!私も全員に平等にチャンスをと思って、全員にこんな活動していますって、時々お知らせして募集したりしますが、それをチャンスと思わない生徒さんが多いですし、チャンスだと思っていても金銭的な問題や時間の問題や健康の問題でできない人も多いわけです。
どんなに頑張っても、仲間がいないとできないのがアンサンブルですからね。チャンスをつかみにこれた、団のみんなの人生にこちらこそ感謝です。
◯対面レッスン
翌週6月28日日曜日 29日月曜日 いつものレッスン室にて、阿部先生の対面レッスンでした。
2日に分けて、毎月受講している6名と、初めて受講する2名の生徒さんが受講しました。
私も2時間受講させてもらいました。一週間前に先生の音を教会の広いところで聴けて、色々思うところがありまして、自分の中で「いい音の基準」が変わったといいますか。そしたら、先生にレッスンで「音変わりましたね」って言っていただきました。演奏家の先生にレッスンしていただくのって、こういうところが素晴らしいですよね。
お手本を間近で聴けて、先生の本番ももちろん聴けて、自分の中の引き出しが入れ替わっていったり、増えていったり。私は演奏家ではないので、そういうところがレッスンしてて足りないところだと思っているので、生徒たちには、阿部先生から、私ではできないことを、色々吸収してもらえればと思っています。
演奏家の先生に毎週レッスンしてもらうのは、時間的にも厳しいので、時々レッスンしてもらう。その間は、私とフォームの改善や楽譜を一緒に読んだり、音楽の見方を考えたりのレッスンをする。理想的じゃないかと思います。
先生のレッスンは、本当にわかりやすく、そして緻密に音楽を作りをされていかれます。演奏家でも、レッスンが上手な人ばかりではないと思っているので(有名人の公開レッスンも、若い頃は聞きに行きました)、私が阿部先生にお願いしている理由は、演奏家で有名な人だからというだけではないです。レッスンのプロの目からみても、本当に素晴らしいレッスンだと思って、生徒におすすめしています。自分の見る目は確かだったと、毎回実感しています。一応、私「授業研究」が修論ネタなので。笑)これで、見る目なかったら、困りますよね。
今回も、大変お世話になりました。また来年のお帰りを楽しみにお待ちしています。
そして、私達夫婦、バタバタでシドニーへと旅立つのでした・・・。笑)
お友だちになっていただけると、ブログ更新のご案内や、レッスンが空いたときのお知らせをお送りしています。
以下のメールアドレスへ、ご希望日をいくつかお送りください。
メール:info☆yurikaviolinschool.jp ☆は@に変えてください


