音楽のバランス感覚

古楽器2


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写真はウィーンの楽器博物館で撮った譜面台。これで4人で合奏できるんですね。素敵。欲しいけど、ウチのリビング狭くて置けないかも。

ツイッターで散々つぶやきましたが、昨日は夫の締め切り日で、もう原稿出しちゃったので今夜は仕事しないというので、二人で音楽関連の録画をさんざん観まくりました。いいわあ。テレビという娯楽はタダだし。途中世界の料理ショーみたいなノリのイギリス人料理家ジェイミーオリヴァーの番組観たり。音楽と美味しいものがあれば、楽しく生きていける二人。

夫は思春期にプログレッシブ・ロックに傾倒し、途中でクラシックを聴かなくなったらしいのですが、また私と結婚したあたりから、クラシック聴き始めました。夫は共働きのお家でいわゆる「鍵っ子」の「一人っ子」で、お母さんが仕事から帰ってくるまで、一人でカラヤンのレコード聴いたり、画集を観たり、途中でお腹が減るとココアを作ったり。そういうのが友達だったらしいです。なので、二人で小さいころ何聴いててたかというところが、かぶるところがあったりなかったり。

昨日はピアニストシフの何年か前のリサイタルの録画。たぶんクラシック倶楽部を録画してたのかな?私達も一回生演奏をどうしても聴きたくて出かけましたが、本当に素晴らしかったです。テレビでもその感動が蘇ってきました。夫が「小さい頃にココア飲みながら聴いたギレリスとかリヒテルに匹敵するピアニスト仲々いないんだなと思ってたけど、この人はそういう匂いがするからうれしい。」って言って喜んでいました。

私もシフは大好きで、声部のバランス感覚とか、それぞれの声部が人の声みたいない変化するところとか、指揮者のついてるオーケストラのような小宇宙を感じます。夫は、ここでタメて欲しいと思うところで、ちゃんとそうなるので、ものすごく自然で聴いたあとに爽快だそうです。「普通のピアニスト」は物足りない演奏が多いらしく、まあ、いろいろといいところを上げたあとに、何より「バランス感覚と調和だよね」というコメントでした。それは演奏だけじゃなくて、インタビューを受けた時の受け答えとかを聞いてても、この人自体にものすごいバランスを感じるそうです。毎日何やってるかっていう話になったときも、音楽が中心にあるんだけど、散歩して古典を読んで(しかも原語で)、美術館に行って・・・というやってることのバランス感覚が素晴らしいって。練習だけしてても、たぶんこんな立派なピアニストにはなれないって、酔っ払って力説していました。(笑)

そのあと、今度N響にきてくれるパーヴォ・ヤルヴィのドキュメント番組のようなものをやっていました。最初は見逃したんですが、この番組も珠玉でした。パパヤルヴィが、人を育てることにとても熱心だったことに影響を受けて、息子のヤルヴィの方も、今若い人を教えているそうです。指揮者コンクールに出ていた人を助手にして育てていました。道を極めるって、やっぱり誰かに教えを受けて、その人のことを尊敬して、その人に憧れて、そして自分も自分なりの芸を身に着けていくんだなと今更ながら、これも才能なんだなあって思いました。尊敬される方も尊敬する方も、「admire」って単語を使ってましたけど、そういう感服する力、憧れる力って大事だなって思いながら観ていました。

バランスよく色んな事を体験しながら進んでいけば、アンサンブルしてる時のバランス感覚や、自分一人で全声部を弾くときのバランス感覚や、一緒に身についていくんでしょうか。全方位的に興味の対象があって、でも練習時間もしっかりあって、コミュニケーション能力も程よくあって、音楽や音楽家に対する憧れや尊敬の気持ちもちゃんとあって。そういう素晴らしい音楽家を見ると、音楽を通じてこんな宝みたいな人が存在して、いやあ本当に音楽って素晴らしいなと思います。今更だけど、こういう風に生きていけたらいいなあと思った日曜の夜でした。

 


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