はじめての習い事〜街の音楽教室事情〜

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教室の3階で暮らす警備員ピートです。生徒さんは見たことがない、幻のにゃんこ。

東京は春ですね。桜が見事です。新しいことをはじめたくなる季節です。といいつつ、うちの教室は5月6月頃に問い合わせが多いです。あとは1月。通年通じて特に春だから多いということはありません。むしろ、新年度はお忙しいので習い事の教室探しは後まわしになるのかも。

地方はまた違うのかもしれませんが、東京の習い事事情、私が肌で感じたものを少し書いてみたいと思います。

東京都といってもまた広いので、色々かもしれませんが、うちの教室は豊島区の一番端っこに位置しています。塀をはさんでもう隣のおうちから文京区。時々ゴミの収集を忘れられてしまったりする、端っこです。(笑)生徒さんは、文京区のお子さんが多く、駅は大塚駅と巣鴨駅と新大塚駅のちょうど真ん中ですが、豊島区も池袋に近い地域の方や、わざわざ遠くから電車に乗ってという方も少なくありません。やはり、大事なお子さんの習い事。相性の合う先生、ご家庭の教育方針と合う先生を求めて、一生懸命探されるのだと思います。

東京で25年ほどお教室をやっていますと、時代の移り変わりのようなものを、感じます。カラーがどんどん変わっていきます。最近の印象は2つあります。みんな習ってる習い事の種類が多い。そして、小学校あがってから習い事を始める子も以前より多くなってきた。

たぶん、勉強を一所懸命させるというのは当たり前で、プラスアルファの数が多いです。以前から、毎日習い事があって、いつ練習してるの?という生徒さんもたまにいらっしゃいましたが、今はそちらが多数派という感じです。もちろん、これは多すぎたなとご父兄が判断なさったら、途中で何個かに絞っていらっしゃいます。その中にバイオリンが残ることは多いですが、もちろん、これは向いてなかったなと判断されれば、他の習い事に集中される方もいらっしゃいます。

未就学の頃から楽器を始めるということが多数派でしたが、最近は小学校に上がってからゆっくり始めるという方も多少増えました。多分、ご両親とも働いているという場合、小さいうちはつきっきりで練習させないといけないので、少し大きくなってから本人がどうしてもやりたいというので、という始め方が多くなった気がします。

バイオリンを小さい頃に習わせるのは、本当に親御さんの忍耐です。レッスンだけ通っていれば、多少なりとも進んでいくというのはもう少し年齢が上がってからで、未就学のうちは練習しなければ変化がありません。変化がなければ本人の興味もどんどん薄れていくので、そのうちレッスンにも興味を失われていくという、負の連鎖です。こんなことを書くと、親御さんの負担が大きすぎて、一気に入会の気持ちが薄れるかと思いますが(笑)安心してください。おうちでどういう風に一緒に練習すればいいのか、レッスンを見てもらっています。また、一緒に時々楽器にさわってもらって、練習の仕方も説明しています。

幸い、未就学からバイオリンを習わせるという気持ちでうちに入会なさる最近のご父兄は、覚悟できていて、練習を一生懸命させてくださっていて、本人たちも楽しく続けています。

小学校から始める人も多少増えてきたもう一つの理由は、私立の小学校に行かれる方もこのあたりでは多く、もう受験もないので、その利点を活かしてゆっくり始められるのかと思います。

中学受験するので習い事は早めに始めて、受験シーズンにはある程度楽譜も読めて、ある程度のところまで進んでおくという計画のご家庭も多いです。ある時期何年間か集中して練習したり、レッスンに週2回など通わせて、その後に中学受験に突入という方もいらっしゃいます。

東京には中学受験というものがあるので、それをどう乗り切るかというのが、習い事の大きなポイントですが、皆さん上手になさっています。田舎に住む甥っ子たちのことを考えたら、習い事しながら受験なんてとびっくりしますが、志望校にも受かり、バイオリンも練習量は落ちるもののそのまま継続しています。何処かで読みましたが、私立の中学の先生方の中でも、習い事もそのまま続けて、うちの学校に来てくれるような生徒が欲しいと思ってる方もいるという記事を読んだことがあります。 少し、そういう風向きなのかもしれません。

中学校になって、ペースを落としながらも続ける生徒も増えました。練習は流石にひとりでやりますが、親御さんがレッスンのスケジュール管理をしっかりなさって、なるべくレッスンが空かないようにリズムを作っていらっしゃる、まさに、手は離れても目は離さずという理想の子育てですね。

風のうわさで、音大志望の生徒が減ったということを聞きますが、最近音大から普通の企業に就職できることも増えたそうです。一つのことを継続できる力、またずっと一対一で先生と人間関係を築けてきた、礼儀正しく振る舞えるなどの、音楽で培われた音楽以外の能力を、仕事で活かすということなのだと思います。就職先に困るということだと、こちらもなかなか積極的に音大を薦めたりできませんでしたが、普通の大学に行くように、音楽を学びに大学にという生徒が増えたらいいなと思います。そのあたりは、引き続き母校はどうなっているのか、リサーチしてみたいと思います。

街中のバイオリン教室事情でした。

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