なつかしいカノン

ユリカバイオリンスクール教材 バイオリンランド(1)

この楽曲「なつかしいカノン」では「多声音楽=ポリフォニー」を勉強します。
いちいち、難しい言葉をなんで初心者向けのテキストに書くのか。
と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、
今自分がやっている曲は、どんな種類の音楽なのか知ることで、
次に出会う曲で応用ができます。
また、鑑賞するときも「あの時習ったポリフォニーだ」と思い出して、
グルーピングしながら、音楽を鑑賞できれば、
その様式感を、どんどん自分の中に取り込むことができると思います。

単にバッハの「音楽の捧げもの」っていう有名な曲を聴いた。きれいだった。

というレベルから

ああ、これはポリフォニーなんだ。ポリフォニーはこうやって演奏するんだ。
じゃあ、自分もこの弾き方を参考にしようかな。

というレベルに、鑑賞のレベルもあがるのではと思っています。
多声音楽とかポリフォニーという単語が覚えられなくても、
「あのなつかしいカノンでやった感じ」でもいいので、
なんとなく、記憶の隅っこにあればいいと思います。

テキストの解説には、
声部の形にも言及されてあり、ポリフォニー音楽を理解する手がかりが、
やさしい曲ながら、たくさん散りばめられています。
ここで形がひっくり返ってるとか、そういうことに気がつける様になれば、
バッハと出会ったときにも気がつけるし、ヘンデルやビバルディーを弾いても、
どこが音楽の文章の切れ目なのか、この単語はどこの単語と同じものなのか、
全部わからなくても、少なくとも探そうとはするんじゃないかと思います。
どこで切れてるかわからない、だらだらした声部を聴き続けては、
聴いてる方は全く意味がわかりませんし、弾いてる方も頭のなかが整理されてない演奏になってしまいますね。

さて、奏法もここではたくさん出てきます。
普通(?)にバイオリンのソロの曲弾いていても、ピチカートとかトレモロとか
出てこないんですよね。
でもオケやアンサンブルすると、平気でそういう記号が出てきます。
大学生でオケに入ってびっくり~何これ?って感じなことが、
なるべく防げると思います。

この曲は、イ短調ですが、自然的短音階で書かれていて、
モードの香りがします。これがなつかしい感じを醸し出していてとても素敵な曲です。
ヘミオラもたくさん出てきていて、リズムの不思議な感じにも触れられます。
音楽に入門したての時に、色んなタイプの音楽に触れるのはとても大事だと思います。

では、今日はこのへんで。
年内トリセツはあと2回ですね。
お楽しみに。

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