ピアノ科生徒さんのあゆみ

ピアノランド全

 

 


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皆さんこんにちは!ユリカバイオリンスクールピアノ科教師、豊永泰子です。

我が校は「バイオリンスクール」と銘打っておりますが、ビオラ科、チェロ科、そしてピアノ科があります。最近ソルフェージュクラスも新設されたので、総合的に音楽を学び楽しめる音楽スクールと言った方が正しいかもしれません。今日はピアノ科の、あるこどもの生徒さんの歴史を辿ってみたいと思います。

当時小学3年生の彼はもともとバイオリン科の生徒さんですが、2012年も終わる頃にピアノ科にも来てくれるようになりました。バイオリンを習っているのでト音記号の楽譜は読めるし、歌も歌えますし、何よりすでにたくさんの音楽に触れていて音楽性も豊かに育まれています。

しかし、他の楽器を習っていたからこそのデメリットもあります。指番号が違う!体の使い方が違う!上腕から手指の使い方なんて全然違う!!なんとヘ音記号とかいうものもあるし、でも右手はト音記号!?あれ?ト音記号だって、やけに高い音まで書かれてるではないか…

これでいきなりピアノを弾かせてしまったら大混乱になってしまうでしょう。しかし、ピアノ科では「ピアノランドメソッド」を採り入れていますので、ゆっくりゆっくり一緒に歩いて行きます。

最初から大譜表の楽譜を歌ったりノートに書き写したりしながら、ゲーム感覚で手指の体操をしてバイオリンとは違う体の使い方を覚えていきます。とにかくたくさん歌って、たくさん書いて、手指も体操して強化して…初めてピアノに触れたのは2カ月後!

その時の彼の表情は良く覚えています。なぜなら、思ったより指先がコントロールできず上手く弾けていない自分に対して「あれあれあれ?デュヘヘヘヘ」と笑っていた顔が、不思議な好奇心に満ちていたから。そう、体全体と手指の使い方は、ピアニストが一生をかけて学んで行くもの。だから、指先がつぶれてしまっても心配はいりません。そのために根性論ではなく、科学的に考えられた体操を用意して一緒に指先を動かして体操します。

こうしてなめらかなレガート、柔らかいスタッカート、同音連打、拍の途中にあるブレス、指くぐりや拡げる・縮む、長調・短調等、少しずつ音楽性を表現するための技術を習得して行きます。時々停滞したこともありましたが、行きつ戻りつしながらも確実に前へ進んで行きました。実のところ彼はとても歌が上手だったので、きっと歌うようにピアノを弾く日も遠くないと思いそれほど心配はしていませんでした。

そして最初のピアノで出演した発表会は、ピアノを始めて1年と数カ月後。連弾とバンドの伴奏が入ったミュージックデータと合奏という形で2曲演奏し、さらに1年もたたないうちに開かれた今年の春の発表会では、ギロックの作品から3曲をまったくの独奏で演奏しました。曲目は「フラメンコ」「ガラスのくつ」「漂う雲」。情熱的なフラメンコと、シンデレラのお話しを題材にした可愛らしく優雅なワルツ、ふわりふわりとどこへ流れて行くのかわからない雲の行方…まったく雰囲気の違う3曲を弾き分けることができたと思います。

現在彼は、音楽に表情をつけるためのアーティキュレーションを自分で考えるという課題に取り組んでいます。これからどんどん大人になって行き、複雑な感情を憶え始めた時にどんな音楽を表現するのか、とても楽しみですね。

 

 


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