『バッハからの贈り物』鈴木雅明著

カテゴリ:古楽, 読書

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昨日は父の日でしたね。うちは両方共すでに父が他界しているので、プレゼントの心配をしなくても大丈夫です!母の日ってあげたいものが色々思いつきますけど、父の日って難しいですよね。みんな何をあげたんでしょうか?

私達が結婚する前に父は亡くなってしまったので、夫は父と会ったことがないのですが、初めてうちの実家に来てくれて遺影を見た瞬間、「そっっっっっっっっくりだね。本当にどこから見ても親子だよ」って言われました。いやいや、そんなはずは。と本人は思うのですが、他人からみたらそっくりだそうです。(困った)

姉と弟に言わせると、父と私が一番気が合ってたそうで、趣味と嗜好が似ているそうです。日本酒飲みながら和菓子食べちゃうところとか、音楽が好きなところとか、新しいガジェットが好きなところとか、本が大好きなところとか、ちょっと学者っぽいものに憧れてるところとか、運動が全くできないで運動会では学校をさぼりたくなるところとか。父は一番似てる私を、一番可愛がっていたと言うのですが、それはないな。姉や弟と違ってできが悪かったので(笑)まあ、私に対して気を使ってた感じはしますけど。弟だけ、音楽の道に進まず、なぜか医学部に行ったのですが、弟とたくさん話がしてもらいたくて、一生懸命こっそりと医学書を読んでいたのを私は知っています。父は、そんな人で、子どもを育てることに生きがいを感じる、子どもが大好きなイクメンの走りみたいな人でした。

という父の日の前振りが長くなりましたが、春秋社から出ている『バッハからの贈り物』鈴木雅明著が復刻されたそうなので、購入してみました。鈴木さんは、皆さんご存知の通り、バッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督、そしてオルバニストでいらっしゃいます。最近息子さんの鈴木優人さんが、ラジオ番組:「古楽の楽しみ」でたくさんバッハの曲を紹介してくださっていて、楽しみに聴いています。聞き手の加藤浩子さんとの対談を、文字にしてあるので、さらっと読める楽しい読み物です。

まだ読んでいる途中なのですが、バッハの魅力を語られる鈴木さんの言葉に、はっとしたので、早速メモ書きしています。加藤さんから「バッハおすすめ10選をお願いします」と言われて、とても困った鈴木さんは、まずはバッハの魅力から語り始められます。古楽演奏の大きな魅力は、拍節感にあると言われていて、拍節感スピード感がもたらす快感にあるそうです。オルガン演奏では、なかなかそういう演奏をする演奏家が少なく、またそういう演奏は伝統ではないそうです。で、そういうオルガン演奏をすると、「トン・コープマンの弟子だろう」と言われるそうです。でも、鈴木さんはそういう演奏がお好き。子どもにインヴェンションなどを教えるのに、対位法、和声を時間をかけて教えるのも大事で、それに加えて

「そもそも音楽が持っているもっと直接的なことからすれば、バッハの音楽が放つ、連れ去られるような颯爽感を感じ取るほうがわかりやすいと思うんです」P.12

というお話をなさっていました。

とある一流のオーケストラのコンサートマスターさんが、バッハの無伴奏をモダンバイオリンで弾かれていて、なんか私の求めているものと違うなあ。何が違うんだろう。と思ったことがあったのですが、今思えば、この連れ去られるような颯爽感がなかったことなんだろうなと。

でも、これはテンポが速い遅いの問題ではないそうです。録音でレコード会社のディレクターに「いくらなんでもこれは速すぎる」と言われたことがあるそうです。後で聴き返したけど、それほどテンポ自体は速くない。

「速さそのものというより、なんというか、さあっと連れ去られていくような、『勢い』といえばいいんでしょうかね。これこそバッハ音楽の本質の一端を形作っていると思うんです」P.7

なるほどですね。バッハの魅力の一番に、この「連れ去られていく勢い」を持ってこられているところが、なんともすごいというか。バッハっていつもしかめっ面で、重々しく演奏しないとというイメージがありますけど、本来そうではないんでしょうね。いやあ、バッハの無伴奏練習したくなったな。

今週は、ベルリン古楽アカデミーのバッハのバイオリン協奏曲のホ長調聴いてきます。エマニュエルのシンフォニアもすっごく楽しみにしています。もう完売しているみたいですが、生徒さんたちも、たくさん行かれるみたいです。この連れ去られていく感じを、是非体感してくださいね。

 

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